2007年12月23日 (日)

映画『時をかける少女』感想

チングとお互いに見たい共通の映画があって、街へ繰り出したものの、土曜日の夕方、それもクリスマス・シーズンということも重なって、観たい映画は全て売り切れ・・・。他の良さそうな映画も遅い時間でないとキビシイということで、ただ食事をしてDVDバンにて、DVDを見ました。

で。何を見たかと言いますと、去年日本で公開された『時をかける少女』。韓国語では『シガヌル・タルリヌン・ソニョ』。意味はまったく同じで、韓国では今年の夏に公開されたそうですが、気づきませんでした・・・。日本のジブリ作品が好きなチングなので、楽しんで見ました♪

ストーリーは・・・言わなくても良いですよね。ただ、主人公は二代目です。初代は、劇中“イモ”(おばさん)として登場します。映画は日本語音声、韓国語字幕で見ました。久しぶりに日本語をたくさん聞きましたけど、韓国語字幕で見ると、それはそれで、けっこう勉強になるものですね♪

主人公マコト。活発な性格の高校生。とても好感が持てます♪


親友のチアキ。これがまたカッコイイんだ。


同じく親友のコースケ。男らしいたくましさがあります。


初代、時をかける少女こと“マニョ・イモ”(魔女おばさん)。一枚の写真が・・・。


ラスト近くで涙が流れてしまう程、映画に吸い込まれ、感動した映画でした!なんで日本で公開されてた時に気づかなかったのかな・・・。コッチで見れたからまぁいいか。ストーリーも音楽もセリフも心に残るステキな映画でした♪

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2007年4月 9日 (月)

『ブラッド・ダイヤモンド』感想

映画『ブラッド・ダイヤモンド(原題:Blood Diamond)』(出演:レオナルド・ディカプリオ、ジャイモン・フンスー、ジェニファー・コネリー他)を見て来ました!

ちょっと長かった気がしますが、その完成度。とても高かったと思います。社会的な大きいメッセージがついた、インパクトが深い作品でした。

“A Diamond is Forever”とは良く言ったものですが、デパートやジュエリー店に並ぶダイヤモンドは、どこから来たものなのか?紛争地域における武装勢力の資金源として不法輸出された“紛争ダイヤ”である可能性もあるんだ!
そんな事をこの日、知りました。

映画の中でも、たくさんの問題が登場するアフリカ。(今回の映画の舞台は、象牙海岸の一国、シエラレオネです。)貧困、紛争、難民、少年兵などなど。特に、少年が機関銃を手にとって乱射するシーンなどは、『シティ・オブ・ゴッド(原題:シダージ・ジ・デウス)』の時の衝撃がよみがえります。大陸は違えども、そのような状況になってしまう現実、ホントに何とかならんもんでしょうか・・・。

さて。

ピンクダイヤを発見したがために、運命を翻弄されるソロモン(ジャイモン・フンスー演じる)は、“Family”のために。密輸商人アーチャー(ディカプリオ演じる)は、“Freedom”のために。“紛争ダイヤ”を追う美人ジャーナリスト、マディー(ジェニファー・コネリー演じる)は、“Truth”のために。
この3人を軸にした話が、最後まできちんと、まとまっていたのが良かったです。

で、ディカプリオ。
今回魅せたワイルドでタフな演技は、過去のアイドル扱いの時とは全く違います。俳優として確実に油が乗ってきていています!ようやく賞を狙える位置まで、やってきたかと思いますが、あともう一歩、“ディカプリオ”という殻を破って欲しいですね。そうすれば他力本願関係なく、自力でイケるんのではないでしょうか?

彼の柔らかい容姿で“密輸商人”という役には意見も分かれるところでしょうが、良かったと思います。“アフリカ英語”特有の訛りや雰囲気もよく出ていましたし、迫真の演技の連続で、アフリカの地で力強く生きていく映像に、その姿はとてもマッチしていました。

ストーリー良し、音楽良し、出演者良し、監督のメッセージ良し。
オススメの映画です!

先日見た『ラストキング・オブ・スコットランド』などのように、アフリカを舞台にした作品が続いています。それも、ミニシアター扱いではなく、メジャー作品としてです。とても良いと思うので、もっともっとアフリカものを見たいです!

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2007年4月 3日 (火)

『アルゼンチンババア』感想

アルゼンチンババア』(出演:役所広司、堀北真希、鈴木京香ほか)を見てきました。

母が病気で亡くなった日、父の悟(役所広司さん演じる)は失踪した。葬儀等を全て手続をした娘のみつこ(堀北真希ちゃん演じる)は、叔母の家でお世話になる。町内の人々の手伝いもあって、半年後に父の居場所が分かった。父は町の人々は滅多に近寄らないアルゼンチンババア(鈴木京香さん演じる)のところに居たのだった。みつこは意を決し、父に会いにいくと、なんと・・・。

以前より予告等で知っていました。
アルゼンチンに行ったことのある自分としては、そのキーワードが気になり、見よう見ようと思っていたのです。(実際、アルゼンチンの映像は出てきませんでしたけど・・・)

原作は、よしもとばなな氏の同タイトルの小説。
小説は読んでいないので、映画と小説の内容が同じかどうかは分からないのですが、どうしたもんですかな~。まさかまさかの展開に「それはないでしょ~!」と心の中でつぶやいていました。後半、何とかいい形で話を終わりにしたな~、と思っていたところ、そこからまたズルズル続いてしまうし・・・。

どうにもこうにも、妻の死後失踪した“悟”の気持ちには共感できなかった、そこが全てですね。“人の死”というものに対して深刻になり過ぎず、さわやかなタッチで描いていた点については、見る人の好みによって分かれると思いますが・・・。

音楽は一辺倒。
アルゼンチンタンゴの、しかも同じ曲の繰り返し。だからメリハリを感じない。もっと色々なアルゼンチンタンゴの曲を聞きたいし、やっぱり、ピアソラが聞きたい!それに、アルゼンチンタンゴを踊るというシーン。アルゼンチンタンゴの雰囲気が出ていないし・・・。ホールドも全然なってない。

出演している俳優はなかなか良い。
なかなか良い・・・のだが、“ババア”と呼ばれる外見・年齢ではなかった。やはりミスキャストではないだろうか・・・?本人は非常に頑張っているが観ていて“ババア”とは思えなかった・・・。美輪さんなら合ってるかも?出演陣の中で最も光ったと思ったのは、みつこのいとこ役の青年。ぶっ飛んだ性格のキャラクターを思いっきり演じていたんじゃないでしょうか!

画的には良いし、退屈する内容ではなかったし、それなりに楽しめたけれど、私の体の中には、しあわせがじんまりとは、しみわたりませんでした。・・・申し訳ない。

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2007年3月23日 (金)

『ラストキング・オブ・スコットランド』感想

ラストキング・オブ・スコットランド(原題:The Last King Of Scotland)』(出演:フォレスト・ウィテカー、ジェームズ・マカヴォイほか)を観て来ました~。重たい映画でしたが、か~な~りっ、見ごたえがありました!ウガンダの実在のアミン大統領を、スコットランド人青年医師の視点から捉えた作品。在任中30万人もの国民を殺害した大統領ということで、それなりのシーンがあります。PG15設定は十分うなづけますので、苦手な方にはオススメしませんので、アシカラズです。

スコットランドの大学で医学課程を修了したニコラス(ジェームズ・マカヴォイ演じる)は「地球儀を回して指をさしたところに行く!」などという、軽い気持ちでウガンダへ。ウガンダで生活を始めたある日、ニコラスは道端で偶然、軍事クーデターを成功させたアミン大統領(フォレスト・ウィテカー演じる)の治療を施したところ、その気質を気に入られ、「大統領の主治医にならないか?」と誘いを受ける。その後、単に主治医という職責のみならず、秘書官的な仕事するまでに、大統領に近づいてしまったがゆえに訪れる恐怖の数々。ニコラスは大統領の元を離れ、無事にスコットランドへ帰ることはできるのか?というストーリーです。

陽気な前半、生活に慣れてきた中盤、緊張の連続の後半とテンポよく、そしてメリハリの利いた展開が良かったです。その緊張の連続という後半では、ニコラスがひたすら自身に振りかかる恐怖の数々を回避すべく奔走します。

大学を卒業したばかりのニコラスが、原因不明の病気を手際よく、あっという間に治してしまったり、大統領の代りに国家を代表して会議に臨むなどは、“映画”のなせるところでしょう。現実離れした話です。ただ、ニコラスに大統領の恐怖が降りかかるのは、彼の若さゆえの自業自得なんですよね~。

そんなニコラスに対して、アミン大統領がかける最後の言葉には、うなります。積み重ねてきた年齢、そして人生に差がありすぎます。でも、映画の中のアミン大統領の周囲の人々の振り回しよう。あの性格では、はっきり言って、国家のボスは務まらないでしょう。そのうえ、残虐なのですから、恐怖政治以外の何物でもありません。そこがまたアフリカの難しいところでもあるのですが・・・。

ただ、特筆すべきは、“その”アミン大統領を演じた主演のフォレスト・ウィテカー。今年度のアカデミー賞の主演男優賞を受賞したのも十分納得の演技力です。演説で国民を一気に魅了する独特のパワー。 気さくで陽気な一面と、緊張の連続で臨場感あふれる恐怖の一面とのギャップの激しさ。彼の迫真の演技は、ただただ、スゴイとしか言いようがありません。

ウガンダという国と、アミン軍事政権のこの2つは、私の記憶の中から消えることはないですね、きっと。そして、フォレスト・ウィテカーの演技力も。強烈なインパクトを残した、たいへん重みのある映画でした。

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2007年3月17日 (土)

『バッテリー』感想

バッテリー』(出演:林遣都、山田健太、天海祐希、岸谷五朗、菅原文太ほか)を観てきました。

文句なしにオススメの一本です!!!
2007年もまだ3ヶ月が経ったばかりですが、早くも今年最高の作品候補です!(ちなみに、去年2006年の最高の作品は『手紙』にしました。)小さなツッコミどころはありますが、ストーリーの良さ、出演陣(特に少年たち)の演技力の高さに感動しました♪

中学入学直前の天才豪速球ピッチャー原田巧(タクミ)が、家族とともに祖父の家に引っ越しする所から始まります。そこでタクミは、たった5球でタクミの剛速球をキャッチできてしまう名キャッチャー・永倉豪(ゴウ)と出会います。そして、2人は中学へ進み、最強バッテリーへの道を歩み始めます。

劇中には、中学の野球部生活を通じて、監督、先輩、チームメイト、クラスメイト、ライバル校、身体が強くない弟、祖父、父、母、そして2人の友情など様々なテーマが散りばめられています。恐らく観る人によって、印象に残るテーマも変わってくるのではないかと思いますが、私が印象に残ったのは2つ。一つはもちろん、タクミとゴウの友情。もう一つは、タクミと母の2人の葛藤。この2つ。

>タクミとゴウの友情。
無口で自分のピッチングの自信から周囲のことなど気にしない性格ゆえに周りとトラブルになってしまう孤高のピッチャー・タクミと、思いやりがあって明るくムードメーカー的な存在のゴウの、2人の友情が深く爽やかで良いのです。中盤以降、タクミはゴウにだけは自分の素直な気持ちを打ち明けるシーンなどはなかなかのものです。

>タクミと母の2人の葛藤。
タクミの母は、病弱な次男坊をかばうあまり、タクミに辛く当たります。毎日ガミガミ言われ、野球に否定的な母親に対して、タクミも完全に反抗期モードです。その2人のストーリーが感動的なラストにつながり、私は涙がとまりませんでした。(涙)

独りでは野球はもちろんできません。野球ならば9人揃わないと・・・。
何も野球に限ったことではなく、人は独りでは本当の力を発揮できないないのでは?
チームメイトや家族の支えがあってこそ、持っている力をすべて発揮できるのだというメッセージを、ゴウとの友情や母との葛藤から感じました。また、そういった支えを得ることができるか否かも、自分自身のチカラのうちなんだと思います。

岡山の緑に囲まれた美しい景色をバックに、少年たちの汗と涙の青春と、彼らを見守る大人たちのストーリーに、ぐいぐい引っ張られ、グッときた素晴らしい一本でした。

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2007年3月 5日 (月)

『不都合な真実』感想

大変遅ればせながら、『不都合な真実(原題:An Incovenient Truth)』を観てきました。とても興味深く、良く考えさせられました。私たち自身が自発的にアクションを起こしていくこと。努力すれば温暖化の問題でさえ解決できる。そんな希望に満ち溢れたエンディングへの運びに光明が見え、私たちも出来ることから始めなければ、という意識にさせてくれました。

アル・ゴア氏自身に関しては、「自宅の電気の使用量が一般家庭の約20倍」などという彼にとってそれこそ“不都合な真実”が報道されました。その事実を差し引いても、限りある講演という形を一歩踏み出して、“映画”としてメッセージを発したことに、彼の今回の問題提起、解決への努力の提案は、利権等に××しているであろう(!)政府や企業に立ち向かう、勇気ある素晴らしいアクションだと思います。

今年の冬は例年に比べて暖かく、TV・新聞は、こぞって“暖冬”という表現を使っていますが、もしも来年の冬も今年のように、もしくは今年以上に暖かかったならば、残念ながら“暖冬”という言葉によるゴマカシは、もはや通用しないでしょうね。そしてコメンテーターなどが良く締めの言葉に用いる「温暖化には一人一人が意識を持って取り組みましょう♪」のような、つまるところ、個人の努力目標を落としどころにしてしまうべきではないと思います。

個人の努力目標は確かに必要です!
私自身、実施していることと言えば、“チーム・マイナス6%”の行動。不必要なコンセントは外したり、スーパーでのMy買い物袋の持参などです。そうは言っても、各家庭で出来る数には、やはり限度があると思います。また「個人の行動が、やがて集団となり、ゆくゆくは世論となって国を動かす。」というシナリオを待っていては、時間がかかり過ぎます。「時すでに遅し」ではマズイです。

日本で言うならば、環境省をはじめとする公的機関。そして、CO2を排出する原因となるものを生産・販売する営利企業。そして個人、この3つが、三位一体となって、温暖化の解決にあたって行くべきではないでしょうか。

硬直で動きが遅いお役所には、TV番組・新聞などの世論をぶつけ、
CO2を排出する営利企業には、株主総会等で直接意見をぶつけ、
そして、各家庭では、出来る限りのことをする。
・・・そういったアクションはどうでしょうか。

仮にも「京都議定書」の議長国だった日本。どこかの国のリーダーシップに身を任せるより、自らがイニシアチブを取って、世界的に働きかけても良いのではないでしょうか。

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2007年2月21日 (水)

『ジャスミンの花開く』感想

ジャスミンの花開く(原題:茉莉花開)』(出演:チャン・ツィイー、ジョアン・チェン、チャン・ウェン、リウ・イエ、ルー・イーほか)をDVDで観ました。

アジアンビューティーという言葉がすっかり定着した感のあるチャン・ツィイーが、3代にわたる女性を時代の変化とともに一人三役で演じ分ける作品です。ちなみに、ジャスミンは漢字で「茉莉花」と書くらしい。(ふむふむ)

ともあれ、彼女のファンなら必見!でしょう。なぜなら「洋服姿」「メガネっ娘」に“萌える”からです。(!)

祖母となる「茉(モー)」の時は、よく見慣れたチャイナドレス姿です。母の「利(リー)」では、分革時代の質素な服装姿、これはやや新鮮。そして、娘の「花(ホア)」で本命のご登場です(笑)。現代の洋服メガネっ娘姿を堪能(!?)できます。これまで彼女の作品はといえば、伝統服・戦闘モード系の服装ばかりが多かったし、映画祭などの写真は全てドレスだったりするので、彼女が普通の「洋服」を着ている映像が、とても新鮮に感じます。

ストーリーは同じような展開を敢えて狙っているようです。男運はなくとも子は生まれます。また、母リーの時代は、文革時代ということなので、ブルジョワ家庭の彼女の家が打倒され、「豚になっても生きろ!」という境遇で必死に生きる、という展開を少し期待したのですが(私の大好きな『芙蓉鎮』の話です)、そういうことも無く、ノホホンと平和に生きていけるのが何だか物足りないです。

それでも、脇を固める人たちは結構スゴイです。

『ラスト・エンペラー』皇后役のジョアン・チェン、もはや“巨匠”の域に達するチャン・ウェン(ちょっと太ったかな?)、『山の郵便配達』『小さな中国のお針子』で有名なリウ・イエが『パープルバタフライ』に続いての共演だったり。男性俳優陣は、それぞれの時代の「男」として登場しますが、それがかえって、それぞれの名優の登場時間が短くしてしまって、もったいないかな~。

チャン・ツィイー自身の演技を見れば、花(ホア)」で、終盤に出産するシーンでの演技が圧巻でした。私は「初恋の来た道・信者」(えっ?信者?)なので、剣を振り回したり、飛び膝蹴りを喰らわすようなアクション物よりは、こういった社会的な作品の彼女の方が良いです♪

監督は『初恋の来た道』で、撮影監督をしていたホウ・ヨン。だからと言っちゃアレですが、ところどころのフレームワークに“らしさ”を感じます。というわけで、「彼女の、彼女による、彼女のための映画」。そこが、落としどころじゃないでしょうか。

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2007年2月18日 (日)

『墨攻』感想

金曜の夜。ボスから急に「今日は帰ってよし」と言われる。感謝しつつも、いきなりの展開に戸惑いながら「久々に独りの時間を満喫しよう!」ということで、前から観たかった映画『墨攻』(出演:アンディ・ラウ、アン・ソンギ、ワン・チーウェン、ファン・ビンビンほか)を観てきました。

「惜しかったな~」という感想です。
アンディ演じる革離という人物は、戦術良し!武芸良し!人望良し!のスーパーお助けマンという設定です。非現実的なワイヤーアクションはなく、何千人もの生身の兵士が、これまた何千頭もの馬に乗って、そして鎧兜をまとって戦い合うシーンは、CGなどでは表現することができない、リアルな迫力が十分に伝わってきます。「この時代に、そんな攻撃は反則じゃん!」とツッコミを入れたくなる場面もありましたが(笑)、基本的には中国の戦国映画の正統派です。もはやお家芸の領域で、さすがです!

戦争その物をマクロ的に扱う作品が多い中で、人を殺す・殺される事に起因する感情や、死体を葬る・片付ける行動、一般庶民の戦争への恐怖など、戦争の中のミクロ的な視点にスポットを当てていることで、反戦・平和というメッセージを強く感じ取りました。最近で言えば、『硫黄島』から感じたメッセージと全く同じではないけれど、似たものがあります。

全体としては映画のテンポも良く、終わりまで見入ってしまうのですが「惜しかった」のは、きっと「詰め込み過ぎてしまった」んでしょう。女騎士との絡みが、墨家の思想の一つ「兼愛」を、違ったものにしてしまったのでは?映画としては女性キャラクターを登場させることで「華」を持たせる必要があったのだとは思いますが、それなら映画としてラストは違ったものになっても良いと思うし、革離が墨家としては中途半端になってしまうし・・・何ともビミョ~な設定でした。

では、出演者。

>革離:アンディ。
さすがアンディでした!安定感があります。そして、どの衣装も似合っていてカッコイイ役でした。もう少し革離が感じる「苦悩」の部分があっても良かったと思いますが、それはアンディへの注文ではなく、映画への注文です。

>敵将役のアン・ソンギさん。
『武士(ムサ)』の時もそうでしたが、戦国ものの衣装を着させると本当に良い雰囲気が出ます。威風堂々という言葉が似合うかもしれませんね。彼が演じたキャラクターは敵ながら見事な将軍であることは感じ取れましたが、映画全体の構成の中で、もう少し輝かせて欲しかったですね~。せっかくのアン・ソンギさんを十二分に引き出せてなかったかな~。

>弓部隊の子団役:ウー・チーロンさん。
得役でした!良い役をカッコよく演じてました!彼については全く知らないが、印象深かったのは「眼」。正義感あふれ、力強く、一生懸命で真摯な「眼力」が気に入りました。

>梁の若君役:チェ・シウォン君。
アン・ソンギさん同様、韓国からの参加です。ドラマ『春のワルツ』で主人公ウニョンの弟サンウ役を演じている、と言えばピンとくる人もいることでしょう!王様の息子という環境の元、きっとチヤホヤされながら育ったであろう性格を良く演じてます。典型的な「困ったクン」から、革離と共に戦っていくことで、彼自身も大きく変わっていきます。その成長、変化に魅入ることができました。

最後に。
革離が命を懸けて守る「梁」国の王様。もうはっきし言って、ダメダメです。あんなのが(失礼な言い方だが・・・)自分の上司、または社長だったら、もう「オージンジ、オージンジ」のコマーシャルの世界です、まったく(爆)

ところどころ人間の生身の身体を痛めつけるシーンもあるので、年齢制限を設けた方が良いんでない?観ていられない女性もいるだろうな~?なんて思ったりもしましたが、歴史・戦国ものが好きな男性、アンディを始めとした男性俳優陣それぞれのファンは、十分に楽しめるのでは?

音楽を担当した川井憲次さん。とても良かった。それぞれのシーンにぴったりの音楽で、映画を大いに盛り上げてくださいました。今でも、劇中に流れた音楽の数々が、頭の中をよぎります♪

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2007年2月13日 (火)

『それでもボクはやってない』感想

周防監督の話題の映画『それでもボクはやってない』(出演:加瀬亮、役所広司、瀬戸朝香、もたいまさこ、山本耕史ほか)を連休中に観てきました。いやはや、凄い映画でしたね。

「もし自分が捕まったら」という被害者と同じ視線で映画を追っていましたが、上映時間2時間半は何のその、ずっと引き込まれっぱなしで、あっという間でした。

警察の罵声にも似た取調べや、留置所でのシーン、裁判所の仕組み・細かいルールなど、なかなか見ることの出来ないシーン満載であらためて考えさせられます。

・絶対に痴漢などしていないのに信じてもらえない気持ち。
・痴漢されたという女子中学生の恐怖の気持ち、思い切って勇気を出して、痴漢をした(と思い込んだ)犯人を捕まえた気持ち。
・痴漢は許せない。犯人を落としてやる刑事・検察側の気持ち。
・痴漢をしていないという彼を信じ、必死に親身になって弁護する気持ち。

それぞれの立場に立って考えれば、それぞれの気持ちには間違いがないし、それぞれが自分の感情に正直だし、職務を全うしようとしているので、この際、刑事・検察側の酷い態度は仕方がないものとして、そこはスルーして考えます。

しかし、裁判官というポジション。
そこだけは映画を見て分からなくなりました。

有罪率99.9%というナゾ。
警察・検察が犯人として起訴した人物に無罪を出す、それが彼らのメンツを潰し、さらには国家権力に逆らうことになる。無罪を出すのは勇気のいることで、無罪を出すと出世できない。

・・・まったくもって、おかしな話です。
よくある刑事ドラマの終盤なんかで、自ら罪を認めて捕まりそれから裁判で刑が確定する、というのは良く分かります。でも、自ら罪を認めない人たちもいるわけで、(無論、それが真実か、真実でないかは本人のみぞ知る)それでも、100人中2・3人しか無実にならない、というのは、「疑わしきは罰せず」ではなくて「疑わしきはとりあえず罰する」感を強く感じます。それも弁護士が仕事をしているのにもかかわらず。

つい先日、富山で婦女暴行容疑で誤認逮捕され2年間服役した男性のニュースもありました。その2年間の間に、唯一の家族のお父様がお亡くなりになった話もありました。悲しすぎます。当時の富山県警・裁判など冤罪関係者は処分されるべきです。

裁判所の判決といっても、結局は「人」の判決なんです。検察側と弁護側の主張を聞いて公平に判断する、といいますが、有罪率99.9%と呼ばれる時点で、既に公平性は失われています。だからこそ、裁判員制度なのかも知れません。

さて、加瀬くん。
今回は主演だから彼の演技をたっぷり観れました。満足です。『誰も知らない』『ハチクロ』『硫黄島』でも、そして今回も良かった。ある種の「現代の悩める若者」みたいな役は、かなりハマります。いいねぇ。頭がキレル犯罪者役なんかも見てみたいねぇ。

脇を固めた出演陣も、堂々たる物でかなり良かった。山本耕史くんのフリーター姿、普通にイケますね。山本耕史くん演じる人間が、感情を思いっきりぶつけてくれたことに救われました。そして、役所広司さんは本当に良かったな~。温かみがあって一緒に全力で戦ってくれる理想の弁護士像でした。こういう弁護士さんがどんどん増えてくれると良い!

この映画を知名度・注目度バツグンの周防監督がフジテレビをはじめ、色々な有名どころを巻き込んで丁寧に、そしてリアルに作りあげてくれたことに感謝。ポスターの右上には、「これが、裁判。」とさりげなく書かれています。文字の大きさとは反比例し、日本社会に問いかける大きなメッセージだと感じました。

裁判員制度のスタートが控えていますが、私たちは、被告人の人生を左右する決断する権利をまもなく持つことになるということ。決していい加減な気持ちでは判断してはならない、ということ。そして、日本人の社会的義務として、学ばねばならない、ということ。

真剣に考えさせられた一本でした。

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